Error 組込みオブジェクト

この章では組込み変数領域が初めから備えている Error 組込みオブジェクトおよびその他のエラー型オブジェクトを定義する。

エラー型オブジェクト

次の条件のどちらかを満たすオブジェクト T を、エラー型オブジェクトという:

以下は組込みのエラー型オブジェクトの一覧である。

Error
Error のインスタンスは、エラーを表す。
TypeError
TypeError のインスタンスは、 オブジェクトの型が要求されたものに当てはまらないときに投げられる。
NotExistsError
NotExistsError のインスタンスは、 存在しないプロパティを参照しようとしたときに投げられる。
NotAssignableError
NotAssignableError のインスタンスは、 参照型以外の値に対して代入を行おうとしたときに投げられる。
NotDeletableError
NotDeletableError のインスタンスは、 参照型以外の値に対して削除を行おうとしたときに投げられる。
NotCallableError
NotCallableError のインスタンスは、 関数として呼出し可能でないオブジェクトに対して 関数としての呼出しを行おうとしたときに投げられる。
OutOfRangeError
OutOfRangeError のインスタンスは、 値が求められた範囲の外にあるときに投げられる。
ArgumentError
ArgumentError のインスタンスは、 関数としての呼出しにおいて渡された引数の型や組合せに 誤りがあるときに投げられる。
NumberOfArgumentsError
NumberOfArgumentsError のインスタンスは、 関数としての呼出しにおいて渡された引数の個数に誤りがあるときに投げられる。
UnsupportedOperationError
UnsupportedOperationError のインスタンスは、 要求された処理を実行できないときに投げられる。
ReadOnlyError
ReadOnlyError のインスタンスは、 読み取り専用の変数などに対して代入や削除を行おうとしたときに投げられる。
DimensionError
DimensionError のインスタンスは、 与えられたテンソルの型が不適切な場合に投げられる。
CalculationError
CalculationError のインスタンスは、 数値計算の過程で不具合が生じたときに投げられる。
OverflowError
OverflowError のインスタンスは、 扱われる数値やデータが大きすぎて処理しきれないときに投げられる。
SyntaxError
SyntaxError のインスタンスは、 スクリプトの構文にエラーがあるときに投げられる。

組込みオブジェクトとして与えられる各エラー型オブジェクトの prototype メンバの値は、全て異なるオブジェクトでなければならない。

エラー型オブジェクトのインスタンスをエラーオブジェクトという。

Error のメンバ

prototype
別途定めるプロパティを持つオブジェクト (→Error.prototype のプロパティ)。 このオブジェクトは Object.prototype を準プロトタイプとして持たなければならない。
name
文字列オブジェクト "Error"

TypeError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "TypeError"

NotExistsError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは TypeError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "NotExistsError"

NotAssignableError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは TypeError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "NotAssignableError"

NotDeletableError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは TypeError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "NotDeletableError"

NotCallableError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは TypeError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "NotCallableError"

OutOfRangeError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "OutOfRangeError"

ArgumentError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "ArgumentError"

NumberOfArgumentsError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは ArgumentError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "NumberOfArgumentsError"

UnsupportedOperationError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "UnsupportedOperationError"

ReadOnlyError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは UnsupportedOperationError.prototype である。
name
文字列オブジェクト "ReadOnlyError"

DimensionError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "DimensionError"

CalculationError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "CalculationError"

OverflowError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "OverflowError"

SyntaxError のメンバ

prototype
オブジェクト。このオブジェクトのプロトタイプは Error.prototype である。
name
文字列オブジェクト "SyntaxError"

各組込みエラー型オブジェクトの内部メンバ

$prototype
Type.prototype

Error.prototype のプロパティ

toString メソッド
次の関数生成式を評価して得られるような関数オブジェクト: @{ @this.description }

各エラー型オブジェクトのインスタンスの標準的なプロパティ

description
エラーオブジェクトが表すエラーについて説明する文字列オブジェクト。 文字列の内容は、原則としてユーザが読み理解できるものでなければならない。

各組込みエラー型オブジェクトの関数としての呼出し

各組込みエラー型オブジェクトは関数として呼出し可能であり、 関数として呼出されると、そのエラー型オブジェクトの prototype メンバの値をプロトタイプとする新たなオブジェクトを作成し、 それを値とする正常終了の結果を返す。

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