Rational
組込みオブジェクトこの章では組込み変数領域が初めから備えている
Rational
組込みオブジェクトを定義する。
Rational
オブジェクトは、スクリプトで扱われる有理数を表すオブジェクトである。
Rational
のメンバprototype
Real.prototype
を準プロトタイプとするオブジェクト。name
"Rational"
zero
Rational
オブジェクトone
Rational
オブジェクトRational
の内部メンバ$prototype
Type.prototype
Rational
の関数としての呼出しRational
は関数として呼出し可能であり、関数として呼出されると次の処理を実行する:
Rational
オブジェクト一つの場合Integer
オブジェクト一つの場合Rational
に拡大変換し、その結果を値とする正常終了の結果を返す。Integer
オブジェクト二つの場合OutOfRangeError
のインスタンスを投げる。Integer
オブジェクトを n とする。Integer
オブジェクトを d とする。nu
プロパティの値とし、d を
de
プロパティの値とする Rational
オブジェクトを値とする正常終了の結果を返す。Float
オブジェクト一つの場合Rational
に縮小変換し、その結果を値とする正常終了の結果を返す。Rational
オブジェクトを値とする正常終了の結果を返してもよい。
文字列を数値として解釈しないまたはできない場合は、新しい ArgumentError
のインスタンスを投げる。文字列の解釈の方法は実行環境に任せる。Rational
オブジェクトのプロパティRational
オブジェクトは以下のプロパティを持つ。ただし、nu
・de
プロパティ以外のプロパティについては、
Rational.prototype
やその準プロトタイプのプロパティが
スクリプトの実行によって変更された場合は、この限りではない。
nu
Integer
オブジェクト。この値は有理数の分子を表す。de
Integer
オブジェクト。この値は有理数の分母を表す。この値は正であって、かつ
nu
プロパティの値が表す分子の値と互いに素でなければならない。toString
メソッドRational
オブジェクトを @this
値としてこのメソッドを呼出すと、渡された @this 値を文字列オブジェクトに変換したものを結果として返す。
文字列への変換の方法は実行環境に任せる。